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2016年1月 7日 (木)

腐海の森

宮崎駿のアニメ映画『風の谷のナウシカ』では腐海と呼ばれる不思議な森が登場する。舞台は文明社会が崩壊した千年後の未来。人間に汚染された大地に広がる腐海の植物は瘴気(しょうき)の毒を出している。森の瘴気を吸えば肺は腐り、命はない。腐海の森は人々を寄せ付けない恐ろしい存在なのだ。わずかに生き残る人類が広がりつつある腐海の毒におびえながら生きているのである。

腐海の毒に苦しむ千年後の未来の人々は、文明社会を謳歌する我々現代人をどう思うだろう。

これは先日ご紹介した稲垣栄洋さんの「植物の不思議な生き方」(朝日文庫)に出てくる一節です。
これを、単なる空想上の事と思うか、それともひょっとしたら現実にそういう日が来るのではないか?と思うか。
私はこのまま私たちの暮らしぶりが続いていくと、いつか現実のものになるような気がしてなりません。それも千年とかいう単位ではなくもっと、もっと近い将来に・・・
そうならないようにするには、この地球に住む人間一人一人が自分の暮らしぶりを見直していくことから始まると思います。

なぜこんなことを書く気になったかと言うと、植物写真家の永田芳男さんの『みかんの花日記』というブログの「いま日本の自然は大ピンチです」という記事を読んだからです。いま日本各地で問題になっている”鹿の食害”についての記事です。
(関心のある方は『みかんの花日記 』をご覧ください。”みかん”とは植物写真家の永田芳男さんが飼っている猫の名前の事だったと思います。)
”鹿の食害”と言うのは一つの事例に過ぎないことだと私は思います、私たち人間が、この地球の自然は人間のためにだけあり、人間の暮らしが快適になることが一番大切なことであり、そのためには何をやっても人間の勝手と思いあがっているような気がしてなりません。
この地球の自然は、人間を含めてすべての生き物の共有の財産だと私は思います。

・福島の原発事故の後一旦は電気を節約していこうという機運が盛り上がったのに、いつの間にやら元の木阿弥。やたらと観光地で人集めのための夜間照明がはやり、テレビはどうでもいい番組を垂れ流し、それらを見るでもなくテレビはつけっぱなし。
・何億年もかけて作り出された化石燃料をものすごいスピードで使い尽くしていて、そしてそれらが無くなった時どうするのかという問題にはまるで無関心。
・原子力発電から廃棄される使用後核燃料は、何千年もの間有害な放射線を発生し続けるというのに、それは将来の世代が何とかするだろうと、それらをすべて先送りしている現状。
・今中国で問題になっている大気汚染PM2.5の問題
・すでに深刻な影響が出始めている地球温暖化の問題など
(COP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)と言う国と国との取り決めが、2015年12月フランスのパリで開催されました。今後何らかの拘束力を発揮するものであろうと期待はしますが、それは所詮国と国、もっと突き詰めていえば”企業の後ろ盾を考慮した政府間の約束事。本当に地球の将来を見据えた約束とは到底私には思えません)
他にも問題はたくさんあるでしょう、これらの問題は、人間一人一人が自分自身の考え方、行動を変えない限り解決できないことではないかと私は思います。

1月5日の中日新聞の朝刊の記事に「ミニマリスト」と言う内容の記事がありました。
「ミニマリスト」・・・できる限り余分なものを待たず、できる限りシンプルに生きる生き方。物を持たないことによって、それまで見えていなかったものが、見えてくる。
これも「腐海の森」から遠ざかる一つの方法だろうと考えます。


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私のブログをご覧いただいている方で、もし私と同じような考えをお持ちの方がいらっしゃいましたら、この記事をどんどん転載、あるいは転送していただき、地球の将来について考えるきっかけにして戴ける事が出来たら、こんなにうれしいことはありません。


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『みかんの花日記』に私が投稿したコメントの写し

髭さん、あけましておめでとうございます、本年もよろしくお願いします。
離れて暮らす子供や孫たちが帰り、ちょっと静かになって髭さんのブログを
覗いたら、とっても大きな問題にぶつかってしまいました。

”鹿の食害”
人間と自然界の関わりの一つの象徴的な問題だと考えていました。
と言うのも、1年ほど前”鹿の食害”に関係する調査の一端に携わったこと
がありました。愛知県東部山間部の”鹿の食害”の実態調査です。
”鹿の食害”と言われている問題の始まりは、第二次大戦終結後迄遡るのでは
ないかと私は思っています。
空襲で家を焼かれ、建物を破壊され、敗戦からの復興の第一は兎にも角にも住む
家を何とかしなければということで、今まで広葉樹の森だったところにも「植林」
「植林」の掛け声で、一斉に木(杉・桧)を植え、広葉樹主体の自然林を破壊
してしまったことが、遠い原因にあるような気がします。
(これは私が住む、愛知県の東部に限ったことだけかもしれませんが)
(杉・桧の実は鹿や猪や熊やその他の小動物が生きる糧にはあまりならないようですね)

その後、安い輸入材に押されて、今や植林された針葉樹林は、間伐する費用さえも
賄えず、打ち捨てられ、無残な姿をさらしています。(今、公的資金(補助金=税金)で
間伐するための、事前の境界調査に多少携わっています・・・でも、果たしてこう
いうことをしても、将来的に木材として商品価値を生み出せるのだろうかと、甚だ
疑問を感じながらの仕事ですが)

その後、銃規制が厳しくなり、狩猟免許もできるだけ取らせないという方針が続き、
その一方で日本は高齢化が進み、狩猟免許を歳だからと返上する人が多くなる状態が
生まれてきたのだろうと思います。

一方で広葉樹の森が少なくなり餌不足の状態になり、そして一方では野生動物の個体数の
調整に一役買っていた狩猟者の人数が減り、鹿などはどんどん個体数を増し、だけど
彼らが生きていけるだけの食べるものがない状態に陥ってしまったのではないかと思います。
鹿、猪、熊などは仕方がないから、今まで食べなかったものも食べ、彼らにとっては
危険な人間が住む人里までも、食べ物を求めて下りてこざるを得なくなってしまった
のではないでしょうか
(去年は山の木の実の生り年だったといわれ、里に下りてくる熊の目撃情報をほとんど
聞きませんでした)

野生動物たちの食害の問題の発生状況の原因については、概ね今まで書いたことに大きな
間違いはないと思います。

問題はこの状況をいかにして解決していくかということだろうと思いますが、私には
今の時点で「こうすれば良いのでは」という考えは浮かんできていません。
人と自然の関わり方、今まで(この数百年)「自然の克服=人間の幸せ」と言うような
図式のもとに自然に対してきた人間の考え方が、驕りに満ちた誤った考え方だったの
だろうと思います。

人間も地球上の自然界の一員、その仲間であり続けていくためには、自然界のルールから
逸脱しないような生活に変えていくしかないと思っています。
そのことを常に頭に置いて、残された人生を歩んでいこうと思います。

長々と書いてしまい申し訳ございません。


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コメント

長いの書きましたね、しかし言われる通りです。(>_<)
杉や檜の植林は、旧林野庁が戦前から国策として行いました。
従って、本来国策として元に戻べきかと思っています。
原発に巨額の税金を使うより、自然を元に戻す方がどれほど良いか。
天然のダムは新たなダムを作らなくて済み、森は山だけでなく海も育みます。
里に猪、鹿、猿、熊が出没するようになったのは、狩猟人数の減少も有りますね。
しかし高齢化と過疎化で、里山に人が居なくなった事も原因の一つです。
追い払われないので、獣が人里に下りやすくなってしまったからと考えられます。
里山に人が戻るように、国策(国費)で森を復元させればと思うのですが・・・。
無理ですよね。(^_^;)

投稿: 季楽 | 2016年1月 7日 (木) 21時48分

季楽さん、おはようございます。
野生動物と人とのかかわりの問題に限らず、今私たちが
生きている世界には問題が山積みのような気がします。
でも、直接自分の生活に影響がないことであれば、どこか
よその世界の問題のような気がして、真剣に考えないですね。
そしてとりあえず、世の流れ(多数の人の動向)に逆らわず
生きていればと・・・最近特に自分に直接影響がなければ、
無関心を決め込む風潮が強いような気もします。
アジア侵略から世界大戦に突き進んだ時の流れ、原発の事故、
このたびの安全保障関連法案成立の過程、その背景には共通
して、私たち一人ひとりの、無関心ということが底流にある
ような気がしてなりません。だからこれからは、考えたことを
できるだけ声に出していこうと思っています。
・・・年寄りの冷や水と言う声を恐れずに・・・

投稿: イナ | 2016年1月 8日 (金) 10時47分

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